NHKってそんなに悪いのか?

政治と経済

タイトルにはこう書きましたが、多分名だたる知識人の方々がそう言っているので私の不勉強だろうとは思います。しかし偏向報道云々言い出すとどんなメディアであっても五十歩百歩だし、どんな組織であっても「調べる」という能力には限界があるのであって真の意味での「客観性」というのはあり得ないため、そうなるとメディアというものはそういうものだという前提で、我々視聴者の側が「情報を自ら集めて理解し検証し判断し」ということをやらなければならないのだろうと思います。

EnnisはNHKから色々学んだ

Ennisは結構、NHKの特番は好きで面白そうなのは録画して見ています。色々見ましたが一番最初の番組は「地球大紀行」。本放送はEnnisがまだ小学校1年生の時でした。月1回、全12回で一年間の長編で、当時ようやっと市中に出回りはじめたVHSのビデオレコーダーで録画したものを、本当に何回見たか分からないくらいに視聴しました。当時1年生だった自分がこれだけ興味を持って繰り返し見て、全12回の内容全てを細部にわたってほとんど覚えているというのが凄い。(それと、Ennisの理解力も(笑))地球の誕生から、植物の誕生、恐竜の誕生と絶滅、その絶命の原因など、当時の私はそのスケールの大きさに心酔する内容でした。

2015年になって、DVDの全巻セットが出ていることを知って衝動買い(笑)約30年ぶりに見ましたが覚えてるんですよね。12回中に1回、オゾンホールについての話があったのですが、30年前にその危険性を指摘していた米国の教授、現代にいたってようやくそれが縮小し始めた(フロンガスの利用禁止により)ということ、既に彼は故人となっていると思いましたが普通の人が気付かないことを科学者として気付いて警鐘を鳴らしたこと、科学者冥利に尽きるなとえらく感激しました。

こういう学術的な番組というのは、商業的にはあまりというかほとんど成り立たないとは思います。でも、全人類にとって必要な、より長期的なスパンのモノの見方や考察というものには絶対に必要な教養だと思うのです。

例えば本当に国難の曲面で「真実」の是非とは

NHKが偏向報道だと言い出したら、広告に依存した他の民放メディアなんてもはやウソまみれだと思います。第二次世界大戦中の大本営発表を鵜呑みにしていたなんてのは愚の極みでしょう。しかし当時は、新聞社にしても国の意向に沿った報道をしないと新聞の材料である紙を供給しないというような条件を突きつけられて存亡の危機に立たされてやむなく、という状態でした。そして何より、日本自体が色々と不利な条件を他国から突きつけられて植民地になるかどうかという不幸な状況にありました。そんな異常事態において、戦争はダメだ何事も民主的に決めないとダメだ、とやってしまったら手続きだけは立派だったが結局国は占領されて滅びたという事態を招いていたかもしれないのです。法律の通用しない相手が殴りかかってきたときに「暴力はいけない」とやっていたら・・ねえ。スピード違反をモノともしない相手を捕まえないとならなかったら、一時的にはこちらもスピード違反をしないとならない。

負け戦だと分かっていても、将軍としては兵隊達を限界まで鼓舞して立ち向かわないとならない。そんな曲面でただ「絶対に負けます、かないません」とホントのことを言ってしまったら・・。「立派に戦って死んだ」とも言えなくなってその死の意味は?犬死にというやつですか?となってしまう。

誰かに仕掛けられたどうしようもない「無理ゲー」に、「最後まで抗った」ということだけが生きた意味であるという、悲しくとも美しいシナリオというのも、残念ながら今の地球にもあるのです。

調べる能力の限界

地球のほんとあちこちに人間が住んでて、それぞれがそれぞれの意図で色々やってて、目で見て分かるようなこともあれば電子空間で繰り広げられることもあって。そんな状況でこの世の出来事の全てを明らかにするなんていうことは元々不可能であって、意図的な偏向報道というのは確かに非難されるべきですが「偏向している」と見なす人間にも絶対にバイアスがありますので、特定の報道を「偏向報道だ」と言ってる時点でその行為自体が偏向報道ということも往々にしてあり得ます(笑)要するにそれは「自分に取って都合が良いか否か」でしかないというのが実態だろうと思います。人間というのは何らかの意図があって、その意図に貢献する情報だけをなるべく集めようとするのですがから当然と言えば当然です。

メディアを鵜呑みにしない姿勢こそ培うべきでは

上述の通り、メディアというのは「経済的な事情でホントのことは言えない」「ウソでもそう言わないと目前に迫る悲しい結末の前にどうしようもない」「世界の出来事全てを調べることなんてそもそもできないのでどうしても偏る」という制約のもと情報を提供しているということを念頭に置いて付き合う必要があります。

何かの社会調査で「日本人ほどマスメディアの言うことを鵜呑みに信じている民族もいない」とか言われていましたが、聞き分けが良すぎるところ、もう少し改善した方が良いかも知れません。

まとめ

NHKがダメというよりも、メディア全部ダメ。メディアにはあまり期待せず、自力の収集能力と判断能力を培いましょう。

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