どうにも、不都合な真実。理性だけではどうにもならないみたいです。
群れをなす動物に一般的に見られる「イジメ」
野生の馬や、ディスカス(大型の熱帯魚で群れをなす)など、群れをなす習性のある動物には、ごく一般的に「同族での群れの中での大幅に能力の劣った個体へのイジメ」という行為が見られるそうです。
理由は残酷ですがとても合理的で、群れの中で劣った個体を虐めておくことで、群れに何らかの脅威(肉食獣による襲撃が最たる例)が迫った時に意図的にその劣った個体を逃げ遅れさせ、いわばその脅威に対してその劣った個体を生け贄として捧げることで群れとして逃げ切り、その生存の確率を上げる、という戦略的な配慮から、です。
遺伝的に?
おそらくですが、群れをなす動物にはこのイジメという行為の特性が、社会性を学ぶ中で後天的に獲得するというよりは「遺伝的に備わっている」と考えた方が良さそうです。何百万年という群れでの生活の中で得た智慧として、遺伝子に刻まれているのです。
そうなると、人間がイジメを根絶して克服するには、人間の中の「イジメ遺伝子」を特定してその配列を変えるとかの対処が必要になるのではないかと思います。これは結構、オオゴトです。
反面、群れの中のホスピタリティ
ところが、ゾウの群れに奇妙な出来事が観察されたことがあります。長い鼻を失ってしまった子象が、普通に考えれば衰弱して死んでしまうはずのところ、何年も生きているという。これは、周りの親や群れの個体がその障害を負ってしまった子象を養っている、ということでしょう。
劣っているものを慈しむ、という遺伝子もあるのかなと。
遺伝子工学の発展を望む。
今の文明社会が今後も何十万年と続く中で人間のイジメ遺伝子が不要になれば、いずれ消えてなくなるという時点もあるのかなと。しかし、どうもイジメというのは道徳とか法律とか後天的な学習や対処でもっては根本的には解決不能で、「生存本能の派生形」というのが私の現時点での見解です。となると、遺伝子工学でもって人間の生誕のタイミングとかで無効化するとかの対処が必要なのかなと。
遺伝子工学の発展を期待します。
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