Youtuberとかフリーランスや個人事業主って本業としてそんなに幸せですか?

精神世界

Twitterとかを見ていると、毎日のように『経済的自由と時間的自由を両立!』とか『ブログ開始3ヶ月で月商1000万円達成!』とか『不労所得を得て東南アジアでセミリタイア生活満喫中!』とか息巻くフリーランスだったり個人事業主だったりYoutuberのリア充な人々(しかし大抵が全く実体が掴めない。実在してんの?本当に)を毎日のように見かけ、そういう人達の繰り広げる投資セミナーだとかの餌食になっていく人が後を絶たないので1つ、書いておこうと思いました。

そういう知り合いが身近にいる人は幸せものかもしれません

身の回りに目標の高い人、エネルギーの高い人がいるというのは確かにそういう目標ができたりして良いかも知れません。水槽を真ん中でガラスによって分割し、片方にサカナを入れて、もう片方にそのエサになるものを入れておくと、サカナは一生懸命、そのエサを食べようとして毎回ガラスに鼻を打ち付けて痛い思いをします。サカナはやがてそれを学習し、『目に見えてもエサは食べられない』という諦めに至ると、そのエサを見ても、例え水槽を分割した仕切りを取り除いた上でエサを投げ入れても、決して食べなくなるのだそうです。

この、去勢されたサカナに再びエサを食べさせる方法があります。それは、もう一匹、学習してないサカナを水槽に入れて、実際にそのエサを食べるところを、学習したサカナの目の前で見せることなのだそうです。こうすることによって学習のバイアスでエサを食べられなくなった魚は、自分がエサを食べられることを思い出します。

人間でも、そういう効果があります。同じ人間でちょっとの努力のちがいで莫大な富を得ているような人を見かけたら、その人と同じような努力をすればその人と同じような結果を得られる可能性は高い。そうやって結果が出たなら、実に有り難いことです。

ところが、そうならない。

上の話は、他でもない私が、ネットワークビジネスに少しばかり傾倒していた10年ほど前に、私が所属していたグループのリーダーから聞かされたことです。(月収700万だとか何だとか息巻いていましたが)これでやる気を補充してまた努力できるということは尊いコトです。ところが、ネットワークビジネスを含めて収入というのは「仕組み」と「タイミング」で決まります。タイミングを逃すと費用対効果の下がり方が半端ないのがビジネス界の常です。特に、インターネットの世界なんかは検索結果の順位で1-3位くらいまでが特定の市場を独占してしまうというのが現状です。

冒頭で述べたような謳い文句、それはつまり「稼ぎ方を教えることがビジネス」になっている人達というのは、自分たちがしこたま儲けて、もう使い古してそれなりに広まってしまったためにあまり儲からなくなった「稼ぎ方のメソッド」を、フランチャイズのように仕立てて売りつけ、それを買ったひとが儲かろうと儲けまいとコーチング料だとかの名目でカネを得られれば、あとはどうでも良いという発想でビジネスをやっています。

不思議だと思いませんか?彼らが「徳の高い人達だから」と言われればハイそうですかというだけですが、自分一人で黙々とやってれば稼げることを、わざわざ人に教えて競合を生み出すようなことはビジネスの世界では「愚の骨頂」です。理由は1つ「もはや自分がそれをやってもそれ自体では稼げなくなったから」というだけです。(Ennisは個人的に、ネットビジネスの教祖みたいな人達で尊敬できる人というのにいまだに出会ったことがありません。)

教祖の言い分

彼らは言います。「サラリーマンほど割に合わない生き方はない」「サラリーマンは異常」「人生の浪費」そんな具合です。とにかく「雇われの身分で働いている人達」へのディスり方がスゴい(笑)しかし、「インターネットさえあれば秒速で稼げる」とか息巻いていますけれども、そのインターネットの回線(物理的な)は一体だれが敷設したものですか?パソコン使う電気は誰が発電してるものですか、そういった「意識しない重要なインフラ」に対する敬意だとか、世のサラリーマンの人達が必死で作ったものを120%利用しておきながら、「自分の努力と発想・アイディアだけでここまでのし上がったんだ」という傲慢な言い分は全然説得力がないです。

そんなに幸せかね?

私が上記のような考え方なので意識的・無意識的に避けているから、ということもあると思うのですが、私の周りのフリーランスだったり個人事業主の人達を見ていると正直、ただのサラリーマンである私よりも図抜けて幸せですっていう人を見たことがありません。

好きな仕事かもしれないが土日も祝日もなく働きづめ』⇒自由になりたいって言ってなかったっけ?有給休暇もないから安心して休めないじゃん。

確定申告しているけど僕より年収低い』⇒安月給でこき使いやがって とか言ってなかったっけ?

厚生年金なし、健保は国保』⇒日本の年金制度は心配だけど、それすらもないんじゃもっと不安じゃない?

労基法の保護なし』⇒自分だけは病気にならない、絶対に倒れない、死なないっていう保障された人間は地球上にいないのに。

こんな具合に、サラリーマン一般とサラリーマンだった自分をさんざん小馬鹿にして飛び出していった割には、客観的にみて「それサラリーマンより幸せなの??」という人が余りに多いのです。

自分の頑張りに比して、報酬が少ないというのはサラリーマンでは誰でも抱く不満かも知れません。しかし、保険だったり遺族年金だったりというところが充実しているのがサラリーマンだったりします。もともと、完全な個人事業主の集まりでしかなかった漁師の人達が、遭難してしまうと一気に家族が路頭に迷うことから、「誰でもそうなりうる」ということで毎月自分たちの稼ぎから少しばかりの積立を行い、もし遭難してしまった場合にはその掛け金から遺族に年金が支払われるという仕組みが、保険の起源ですがサラリーマンはその意味で進化した働き方なのです。集団で悲劇のリスクを低減しています。

騙されない。サラリーマンをバカにしないこと。

Twitterとかでハンドルネームにわざわざ書いて自慢できるほどの成功を収めた人は確かにスゴいです。しかし、彼らがそれを対外的にアピールし始めた時点で、彼らと同じことをやったところで上記の理由(それがそもそも稼げなくなったからそれをフランチャイズ化して売ってるだけ)のために成功できる確率というのは相当低くなっています。その結果、そのカリスマさんを高額な月謝のコーチング料だとかで「皆で一生懸命養って彼もしくは彼女の豪遊の手助けをしている」というだけの構図になります。こんなバカなことには関わらない方が良いでしょう。

世の99%は凡人です。1%くらい、たまにそこから飛び出て巨万の富を得る人もいますが、彼らの語る成功法則は、成功法則として体系化された時点で既に時代遅れになっています。その時点から99%の凡人が同じ事をしてみたところで結果は知れています。1%の人というのは、自分の打ち込むことが将来とんでもない成功を掴むことになるという「先見の明」こそが図抜けていたのであって、タイミングを逃したその他大勢はその僥倖に預かるということは叶わないのです。

ネットを眺めていてもう、そろそろやめよう、気付きましょうという気分になってきたので書いておきました。いえ、私も散々騙されたんです(笑)あまり人のことは言えません。でも、特に若い人達には同じ轍を踏んで欲しくない一心でこちらに書いておきました。

サラリーマンという生き方をバカにしないことです。

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