広告収入に依存しないメディア

政治と経済

団塊の世代前後の方々ですとまだ普通に紙での新聞を毎日購読している方も多いと思いますが、ネット世代はYahooのニュース欄で充分でありわざわざスマホとは別にあの大きな新聞紙を持っていくということを日常としている人はかなり少数派かと思われます。なので新聞社自身の発表でも発行部数というのはどんどん下がっていて、その意味でそれは斜陽産業ということになるのですが、それでも新聞社というのは新卒で入りたい会社のランキングの最上位にいつも位置していますし、その理由というのは「年収の高さ」に相違ありません。しかし、月々の購読料による収入がどんどん下がっているはずなのに、新聞社の社員が高給取りでいられるのは何故?と思うでしょう。そのカラクリが「広告収入」なのです。

広告収入でリッチ

「大勢の人が日々目にする」というメディアには、自社の製品やサービスをより認知して貰いたい、結果として買って貰いたいという方々がその売り文句をしたためて紙面に掲載することをメディアに対して「お金を払って」依頼します。新聞というのは購読料による収入というのももちろんなのですが、この広告収入も莫大です。購読数がどんどん減っていく新聞社の社員が高給取りでいられるのはこの広告収入に依るところが大きいです。

インターネットが普及して早20年というところでしょうか。だれがどれだけ閲覧したか、どういう経路で来たかということが把握でき、統計解析も可能でそれゆえに費用対効果が算出できるという優位性があるのに、インターネット経由の広告がTVや新聞に完全に取って代わったかというと全然そんなこともなく、依然として新聞紙は圧倒的な影響力を持つメディアとして君臨し続けています。(これはEnnisも何故だろうと思って居るところです。どなたか教えて下さい(笑))

お金を貰ったら当然、広告主の意向に沿ったことしか書けない

広告主が自動車のメーカーだったとして、その広告主が出す新車の広告の脇に、その会社がブラック企業だという告発の文章があったら(笑)当然広告主は激怒するわけで、その新聞紙に対して巨額の広告費を投じている会社の意向というものが、その新聞には当然色濃く反映されることになります。広告主を名指しで批判する記事は書きたくても書けないのです。例えば大手コンビニエンスチェーンで行われている外国人留学生労働者への搾取や、国を跨いだ巨大ECの倉庫で働いている人達の非人道的扱いのお話は、まさにジャーナリズムが取り上げて議論を巻き起こすべき論題なのですが、こういった動きを企業(金持ち)はカネでジャーナリストの生殺与奪を握ることで封殺する訳です。こうして金権による言論統制が起きてしまいます。

購読料のみ、広告収入を得ないメディア

この金権によるメディアの封殺という状態は随分と昔から問題視されていたので、それに対抗して、購読者の購読料のみ、広告収入を受け取らないニュートラルなメディアというものが生み出されました。老舗ですと日本共産党のしんぶん赤旗、ネットの勢力ですとマイニュースジャパンといったものがありますが、じゃあ彼らがマジョリティとして存在感を持つかというと、残念ながらそういうことにはなっていません。むしろそうなってほしいのですが、どういうわけかそうなってない。(理由が分かるかた、どなたかEnnisに教えて下さい(笑))

金権によるメディア封殺への対抗:国際的な動き「The Correspondent」

Ennisはベーシックインカムについて学べる素晴らしい書籍「隷属無き道」の著者である、ルトガーブレグマン氏をとっても尊敬しています。なんと私よりも10歳も年下の、欧州の知性として超一流の方です。彼も今の「金権によるメディア封殺」の状況を問題視して、広告収入に全く依存しないメディア「The Correspondent」を立ち上げました。Ennisは発足してまだ「CommingSoon」な状態からここをウォッチしていたのですが、いよいよローンチされていたので会員登録(月間8ユーロ)して英語版の購読を始めました。ジャーナリストの方々が、広告主の存在しない環境で自由闊達に記事を執筆されていて、実に面白い。

シェアOKという寛大なメディア

こちらの文章を御覧下さい。会員登録して初日に送られてきたメルマガなのですが、「普通の有償メディアとは異なり、あらゆる手段を用いて、自由にシェアして頂いて構いません」と書かれています。実際、ログインしたあとの会員ページに、PDFにしたりSNSにシェアしたりという機能が実装されていて、「ほんとにシェアしていいんだ」と驚きました(笑)なのでEnnisも全力でシェアさせて頂きます。

英語版なので適宜翻訳して公開します。

Ennisは受験勉強の際にめちゃめちゃ英語を頑張ったので、英文の読解にはまったく抵抗がありません。なので、こちらCorrespondentに掲載された面白い記事を適宜翻訳して、こちらにシェアしていこうと思います。こういう動きは絶対に地球世界を良くしていきます。メディアというのはこういう、資本から中立のものであるべきだというのが当たり前になってほしい。そういう希望でもってEnnisはCorrespondentを、ルトガーブレグマン氏を全力で応援します!!

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