一時期、無農薬だ有機栽培だという食材に極端に傾倒していた時期があり、今はごく普通の食材購買活動をしているのですけれども、それについて思うところがあるのでこちらに書いておきます。
化学物質を使わない1つの極み『オルター』
合成保存料や着色料を一切使わない、ホンモノの食材を届けるということを哲学にして運営されている「オルター」という団体があります。その哲学に共鳴する農家さん達に支えられていて、高いけれどもとても栄養価が高く安定した食材を提供されています。入会するのがかなり大変で(笑)まず、オルターの哲学を学ぶための教材を取り寄せて、試験を受ける。それに合格すると、近くにお住まいの既にオルターを利用されている方との面談があり、それで入会を認めて貰えたら、デポジットである1万円をオルターに預けてようやっと利用が開始出来ます。一般の通販サイトとかと比較したら段違いのハードルの高さです(笑)
農薬やら防腐剤と言った化学物質を本当に一切使わないため、配送できる距離(=食材として持つ日数)に限界があります。そのため、オルターにそもそも入会できない地域というのもあり、「安心安全な食材を届けてとにかく儲かればいい」というコンセプトとはこの団体が一線を画しているということが良く分かります。
別に、人様を不健康にしてやろうとは思ってない
サプリメントとか(特にネットワークビジネス系の人達が使うトーク)の販促のトークの中に「スーパーの食材にどれほど化学物質が含まれているか」ということが長々と訴えられていて、私も随分不安を煽られたのですが、確かに一部の人達にはアレルギー症状などが出てしまうこともありますが食品添加物の類いというのは相当厳格な試験を受けて、「普通の人が一生涯摂取し続けたとしても、ほとんどリスクを上昇させない」ということを統計的に確認された上で使われています。
逆に、何の化学物質も使わず自然そのままの食材を遠くまで運ぼうとすると、運搬中に腐敗したり雑菌が湧いてしまったり、それをそのまま食べると食中毒やら感染症のリスクというのがとんでもなく高まります。古来人間というのは、生きていくために必要な水、農作の為に必要な真水を入手できる川やら湖やらの周辺に集まって住むというのが典型的な形だったのですが、より版図を拡大していく中で、直接的には水を採取できない内陸部だったりというところでも生活できるという仕組みを考える必要がでてきました。そのためには運搬中の腐敗などをどうしても制御する必要があり、それが防腐剤だったり冷凍技術だったりいう形で発展してきたのです。
別に人をわざわざ不健康にしてやろうと思って化学物質を入れているわけではなく、化学物質ナシでは腐敗したりより危険なものを食さねばならず、「どちらがよりマシか」ということを天秤にかけて内陸部などに住んでいる人達により安全な食材を届けるために、やむなく化学物質を使っているということに過ぎません。添加物を使っている大手の食品メーカーを悪魔扱いする言説というのは的外れと言うべきです。
地産地消
化学物質を使わず、またオルター並みに新鮮で安全な食材を、ということになると、「北海道で作ったものを沖縄で食べる」といったことが可能な現在の食品の物流を見直す必要があります。遠くまで運ばずに済み、よって化学物質を使わずに済むやり方。それは「地産地消」です。
市区町村の集まりくらいの単位で食品が地産地消できるようにできたら最高ですね。ある程度大規模化して農業ロボットなどに担わせるスマートアグリでもって地産地消。地元で作ったものを地元で消費する。遠くまで運ぶ必要がないから化学物質を使う必要もなく、安全。良い事だらけじゃないですか。
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