やり甲斐過労死を考える

食と健康

ブラック企業というのは、恫喝などのやり方で労働せざるを得ない状況に従業員を追い込んで搾取するというイメージがあり、これは社会的な害悪として分かり易いし批判もできるので改善の余地があるのですが、「本人としては嬉々として働いている」のにポックリ逝ってしまったというケースが増えているようで、そのことについて書いておきます。

思い出すケース

もう10年以上も昔になりますが、NHKのプロジェクトXという番組で、日本の最大のIT企業の1つである富士通で事業の柱となったコンピューター(一瞬だがIBMの作ったものと比較して2倍の処理性能があった)を開発した、池田敏雄(いけだとしお)さんという方がいました。今では絶対にNGな働き方、部下の働かせ方をしており例えば、通勤時間の電車の中でも「考えてなきゃだめだ」ということで首に掛ける画板のような簡易的な机を部下に持たせて、少しでも考える時間が得られたらそこで書類を広げて作業しろということを指示していました。(今だと完全にパワハラだし、情報セキュリティ的にも大問題ですね)

最後、池田さんは過労が祟って出張先の空港で取引相手と握手をしようとした瞬間に倒れて(くも膜下出血)帰らぬ人となりました。しかし、遺族の方々のインタビューが同じ番組内でなされていたのですが「結果としてはこうなってしまいましたが、本人は本当に本当に自分が好きなことに打ち込めて、それなりの地位も得て幸せな人生だったろうと思います」と述べていました。

ポジティブな全人格労働

池田さんのように、確かにその仕事を天職としていて「楽しくて楽しくてしょうが無いので寝食を惜しんで働いている」という人は今まで何度か目にしました。「何もそこまでやらなくても」と私は思ったのですが彼らにとってみればそれは僕でいうところの「趣味」みたいなものであって、いくらやっても飽きないし疲れないようです。だけど、家族との時間もまったく顧みず、土日も祝日も全て投げ打って仕事に取り組む彼らの姿には一抹の不安を覚えて、「何かセルフマインドコントロールのような状況なのではないか」と勘繰って本を婦然とするなど色々試みて見たのですが、暖簾に腕押しという感じでした。

スティーブ・ジョブス氏の働き方

Appleの創業者であるジョブズ氏は、週の労働時間が80時間を下回る人間というのは落ちこぼれだと豪語して憚りませんでした。営業日を5日とすると1日16時間労働です。午前8時に始業して午前0時です。冗談じゃありません(笑)間違いなくブラック企業です。しかし彼はその才能と疲れを知らない働き方のカケザンでもって、時価総額世界一の企業を作り上げました。しかし、50歳台前半の早すぎる死(すい臓癌)でした。

最後はその人個人の価値観か

細く長く生きるか、太く短くかっこよく生きるか、最終的にはその人個人の価値観となりますでしょうか?当たり障りなく、9時5時で帰れる仕事を凡人としてこなし、淡々と生きて死んでただ忘れ去られる人生よりも、限界まで力を出して人類の歴史に名を残そうと努力するか。だけど、家族とか子供がいたらそれって結構迷惑な話だよなと思ったり(笑)

ちなみに、「過労死」という言葉は外国には存在せず、自分の限界を超えて働き、死ぬといういみでKaroshiという英単語になっています。「死ぬまで働く」などという意志の感覚は日本人以外には全く理解されないし褒められないようです。

まとめ

何かを為すために自分の持てる力を本当の限界まで使うという生き方も一興。だけどそれがやりたいなら是非独り身でやってほしいかなと思ったりします。家族は家族で、貴方と一緒に過ごす時間を楽しみにして付き添ったり貴方を親として選んで新たに生まれてきたりしているのですから。

あと、「休み方のルール」みたいなのもあって然るべきですよね。ルール無視して働いた結果の稼ぎってのはNGですよ的な雰囲気を作り出せる何かが。

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